家庭で、地域で、実践!

(3)つくろう!通学路点検マップ

ひろしま交通事故防止キャンペーンでは、家族や地域で実践してほしい交通安全のポイントを紹介しています。
第3回は福山市交通指導員協議会で会長を務める三谷雅志さんに通学路の安全対策について聞きました。

危険箇所を洗い出し
子どもと話し合おう

福山市交通指導員協議会 会長 三谷 雅志 さん
福山市交通指導員協議会は、1968年に市が創設した組織です。地域の交通安全の担い手として市長が任命し、現在54小学校区で85人の指導員が毎朝、学校や保護者と連携し、登校時の見守りを続けています。加えて、小中高で自転車の安全教室などを開催しています。
通学路の安全指導で特に気を付けているのは、やはり「飛び出し」です。「道路を渡る時は必ず立ち止まって左右確認しよう」と伝え、子どもも十分に理解しているはずなのに、遅刻しそうで焦っていたり、反対側の道路に友だちを見つけたりすると、つい飛び出してしまいそうになることがよくあります。
歩道と車道を区切る縁石の上を面白がって歩く子どもにも注意が必要です。10数年前に他の市町で、縁石の上を歩いていた子どもが、横を通り過ぎたトラックの風圧を受け、車道に転がり落ち、後続車にはねられるといった事故もありました。心身が未発達な子どもには、交通ルールを根気よく何度も繰り返し指導していくことが基本です。
通学路には交通量の多い道や幅の狭い歩道、見通しの悪い交差点など、さまざまな場所があります。例えば4車線道路のような大きな道路の場合は、横断歩道に差し掛かった時に青信号であっても渡らず、次の青信号まで安全な場所で待つように伝えます。通学路の状況に合わせた交通指導や対策が必要です。
そこで家庭や学校、子ども会などで実践してほしいのが通学路の点検マップづくりです。子どもと一緒に通学路を歩き、ガードレールがない通りや車の出入りが多い場所など、危険箇所をチェックし、地図にまとめます。危険箇所を発見した場合は、単に「ここは危ないよ」と指摘するのではなく、「なぜ危ないのか」「危険を避けるためにはどう行動したらいいのか」を子どもと話し合うと、より確かな安全意識が身に付きます。危険箇所を写真に撮って、マップに貼り付けるのも効果的です。

通学路点検のポイント

1.点検項目をあげておこう

効率的に点検をするために、あらかじめ点検項目を書いたチェックシートと通学路の地図を用意しましょう。そして危険な箇所があったら、地図に記入していきましょう。

2.点検時間に注意

朝と夕方では、道路の交通事情が変わってくることがあります。子どもの登下校の時間に合わせて行いましょう。通学順路に沿って歩き、通学する子どもの人数が多いか、少ないかも考慮して危険がないかもチェックしましょう。

3.子どもの目線で点検

身長の低い低学年の子どもは、見える範囲が限られます。6歳児の場合、垂直方向の視野は大人約120度に対して70度、水平方向は大人約150度に対して90度しかありません。しゃがむなどして子どもの目線でも点検しましょう。

企画・制作 中国新聞備後本社、事業情報センター